昔も今も変わらない子供達

 
時代が違うが子どもは同じ

教育を取り巻く環境はここ30年で大きく変わりました。
 昭和の40年代は小学校でも通知表に5段階評定があり、テストと宿題が毎日のようにありました。帰りに先生から渡される計算問題がたくさん書いてあるいわゆるドリルプリントは本当にいやでした。サザエさんのカツオくんではないですがランドセルをほっぽって遊びに行きたい気分でした。
しかし宿題を忘れた時の先生は恐く、ビンタこそしませんでしたが、「こめかみを押さえつける梅干しの罰」「罰掃除」など様々な訓戒が待っていました。
 学習では漢字の書き取り、一文字を一列10回書くなど勉強方法が中心でした。
勿論学習塾に行っている人はごく一部なので、解らないところは自分で考えるか親や先生に聞くしかありません。
そんな状況だからか当時は小学館の「学年毎の学習雑誌」、学研の「科学」と「学習」などの学習雑誌が学校で販売され、特に「科学」には毎号科学教材の付録がついて来て楽しみでした。
おもちゃなど自由に買ってもらえない小学生にとって、勉強に必要だからと親を説得して付録目当てに買ってもらうことができました。
小学校6年ではゲルマニウムラジオ、モーター、ベル、紙を作ろう、など結構本格的でした。
 勉強は自分の未来をつくるもの、親も勉強の大切さを身にしみて感じていました。
「勉強して良い高校に入って、良い大学に入って、良い会社に入社して幸せになる」が親の合い言葉でした。
「教育ママ」なる言葉が流行った時代です。勉強は中一時代中一コースの2大学習雑誌のいずれかをとり、参考書や問題集を本屋さんで買い自分の部屋で勉強したものです。
 学校生活は行事が盛りだくさんで、校内陸上競技大会、運動会、文化祭、キャンプ、合唱大会と2ヶ月に1回行事があるという具合です。
 当時は日曜日しか休みがなく土曜日の午後がありました。
いま思うと土曜日の午後の有り余る1時~6時までの5時間がすごく有意義でした。
体育大会の応援合戦の練習、キャンプのスタンツの練習、合唱の歌練習、仲間と物を作る時間がたくさんありました。行事の為に学校に行く雰囲気がありました。
家に帰ると食事が終わった8時から10時までの2時間は家族と一緒にいる時間でした。
野球と歌番組とドラマと家族でチャンネル争いがあった時代です。
 現在の小学校は基本的に成績を「出来た」「頑張ろう」のような評価をしています。
宿題は少ないようです。あまり出すと習い事と重なって大変だからだからです。
放課後は習い事か塾に行く人が多くなりましたが、ですが今でも小学校の校庭では放課後遊んでいる子がたくさんいます。地域で公園でさえも遊んで良い場所が少なくなっているので学校を開放している小学校がたくさんあるようです。
 親は勉強が大事だとはおもっていますが、小学校のうちは無理矢理やらせて嫌いにさせるのは良くないと考えています。
興味あることを見つけて伸びて言ってくれれば良いと考えます。
子供達も将来の自分が大事で今の自分はそれを見つける期間だと考え、勉強より今はもっと大事なものがあるからそれをやると考えているようです。
高学年になると携帯電話やスマートホンを持ち友達とのコミュニケーションが生活の中の多くの部分をしめるようになってきます。
学習雑誌は現在は発刊されていません。それ以上に本自体の販売が落ちて本屋さんが減って来ています。
 今の学校は週休2日制のため土日が休みです。中学校で運動部に入っている人は、ほとんどの土日とも部活動になります。
月曜日から金曜日までの授業でしっかり毎日6時間授業が入っています。
授業時間数確保の為に行事が縮小され文化祭が取りやめになったり体育大会が縮小されたりして来ました。
 勉強は中学2年生にくらいから塾に行き始める子が多くなます。
運動部の子は朝練習で7:30に学校に来て練習して8:30~授業をして、4:00から6:00まで部活その後7:00から9:00まで塾に通います。帰ってから夕食を食べて10時~携帯を見て寝るという生活になっている人が多いようです。当然家族といる時間も少なく自分の部屋で過ごすことが多くなります。
 高校受験、高校生活、大学受験の就職活動も様変わりしています。
この様な昔と違う環境の中でも子供達はやっぱり素晴らしくそだっていています。
体育大会で喜び、悔しがり、仲間との絆を深め、合唱大会ではホールにいる全ての人を黙らせ感動する歌を聞かせます。
 謝恩会ではダンスや歌のパフォーマンスをして卒業式では涙を流し先生との別れを惜しみ中学校時代を充実して過ごす子がたくさんいます。
 この様に確かに昔とは環境が違うけれど、子供達は同じように育ち立派になっています。今時の子供達も社会に出て立派に働いています。スポーツの分野だけ見ると今の若者の方が優れた選手が多いように思います。
先生になる子もいますいて、素晴らしい先生になっています。
 昔と今は環境が違うので昔は良かった。今はダメだと言う内容ではありません。
昔も「いい加減にしなさい」「それはまずいだろという」と注意される子もいたし、現在も人として素晴らしい子もたくさんいます。

 時代に関係なく人が成長する時に考えたい大事な考え方を、その時々の子どもを取り巻く大人がいかに良い形で提供できるかが必要ではないでしょうか。

子どもに考えさせる、そして「ダメな物はだめ」と線をしっかりひいて上げる事が子どもの自立を育むのではないでしょうか。

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